大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋高等裁判所 昭和44年(行コ)19号 判決 1972年10月16日

第一九号事件控訴人(原告)・第一号事件原告 加藤清六

第一九号事件被控訴人(被告) 名古屋国税局長

第一号事件被告 一宮税務署長

主文

一  昭和四四年(行コ)第一九号事件について、控訴人の控訴を棄却する。

同事件について、控訴費用は控訴人の負担とする。

二  昭和四五年(行ケ)第一号事件について、原告の請求を棄却する。

同事件について、訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の申立

一  昭和四四年(行コ)第一九号事件について

控訴人は、「原判決を取り消す。被控訴人が昭和四四年六月二四日付で控訴人に対してなした昭和四〇年分所得税及び無申告加算税に関する審査決定を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は、「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。

二  昭和四五年(行ケ)第一号事件について

原告は、「被告が原告に対し昭和四三年一〇月二一日付一宮所第一九一四号昭和四〇年分所得税の決定及加算税の賦課決定通知書をもつてなした課税処分(ただし、異議決定および審査決定によつて取り消された残余の部分)を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、被告代理人は、「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求めた。

第二当事者の主張

一  昭和四四年(行コ)第一九号事件について

当事者双方の事実上の主張は、次のとおり付加するほか、原判決事実摘示(ただし、原判決一枚目裏一〇行目に「賦課決定通知をもつて」とあるのを「賦課決定通知書をもつて」と訂正する。)と同じであるから、これを引用する。

(控訴人の主張)

1 本件については、審査請求に対して、原処分一部取消しの裁決がなされたのみで、審査請求棄却の裁決はなされていないから、行政事件訴訟法一〇条二項の「審査請求を棄却した裁決」は存在しない。右条項を本件についてまで適用するのは不相当であつて、原判決はこの点において誤つている。

2 本件裁決には、次のような瑕疵がある。

(一) 本件裁決書によれば、「裁決」として「別表のとおりそれぞれ原処分の一部を取消す。」と宣言しているが、右裁決をもつて前記条項にいわゆる「審査請求を棄却した裁決」に当たるというのなら、少なくとも、右裁決主文に続けて「爾余の審査請求部分を棄却する」等、一部棄却の宣言を判然と付加し、この点を明確にすべきであつた。しかるに、被控訴人は、その裁決書においてその旨を宣しなかつたのであるから、右は裁決固有の瑕疵の一つというべきである。

(二) 控訴人は、右審査請求において、一宮税務署長がなした課税処分(原処分)および異議に対する決定の双方をその対象とした。そして、昭和四五年(行ケ)第一号事件において述べるように、右課税の対象となつた譲渡所得については、租税債務が発生もしていないし確定もしていないのであるが、本件裁決は、審査請求の根源的理由たる右租税債務の発生・確定の点について、関係人らを十分調査し重点的に検討しなかつた。右は、裁決固有の瑕疵というべきである。

(被控訴人の主張)

1 行政事件訴訟法一〇条二項にいう「審査請求を棄却した裁決」には、原処分の一部を取り消した裁決も当然に含まれる。すなわち、原処分の一部取消しの裁決とは、一部取り消された残余の部分については、審査請求が棄却されたことになるのであるから、右棄却部分を争うには、原処分(すなわち残余の部分)の取消しの訴えによるべきである。

2 本件裁決の表現は、右に述べたような意味で裁決の方式に適合しており、特に、控訴人主張のような「爾余の審査請求部分を棄却する。」旨の追記をなす必要は存しない。

3 本件審査請求については、本件課税における譲渡所得の根拠となつた尾西市起字東茜屋八四番田八二六・四四平方メートル(八畝一〇歩)の土地が、控訴人から訴外森基樹に対して、代物弁済を原因として昭和四二年八月八日付で所有権移転登記がなされた経緯について、国税通則法八三条(協議団による審理)ならびに国税庁協議団及び国税局協議団令(昭和二五年六月三〇日政令第二一四号)第五条(協議団の調査)の規定に依拠して、関係者ならびに関係書類等を十分に調査・検討のうえ審査裁決をしたものであり、何ら違法事由は存しない。

二  昭和四五年(行ケ)第一号について

(原告の主張)

1 被告は原告に対し、昭和四三年一〇月二一日付をもつて、確定納税額六八万五二〇〇円、無申告加算税六万八五〇〇円の課税処分をした。

2 原告は、右処分につき、昭和四三年一一月二一日被告に対して異議の申立てをしたところ、被告は、昭和四四年二日一八日右処分を一部取り消し、確定納税額四二万二九〇〇円、無申告加算税四万二二〇〇円の決定をしたが、原告はさらにこれを不服とし、名古屋国税局長に対し昭和四四年三月一八日審査請求をしたところ、同局長は、昭和四四年六月二四日原処分を一部取り消して、確定納税額一一万九〇〇〇円、無申告加算税一万一九〇〇円の裁決をした。

3 しかしながら、原処分(右異議決定ならびに審査裁決によつて取り消された残余の部分)は、昭和四〇年において、譲渡所得につき何ら債権債務が発生していないにもかかわらず、これを不当に見積つたうえ所得税額を算出し、かつ無申告加算税を賦課しているから、違法である。

(一) 被告の主張2の事実は認め、同3の(一)の事実のうち、訴外森が本件土地についてのみ所有権移転登記手続をすべく知事の許可を申請したとの点、および本件土地につき、昭和四〇年一二月四日原告から訴外森に対し代物弁済として所有権が移転したとの点を除き、いずれも認める。

(二) 訴外森は、確定判決に基づいて、本件土地一筆についてのみ単独で知事の許可申請をしてその許可を得、かつ、単独で所有権移転登記手続をして同登記を経たのであるが、右判決は、代物弁済として、債務の履行に代えて給付すべき三筆の土地(本件土地を含む。)全部について、農地法五条の知事の許可申請を命じ、かつ、知事の許可を停止条件として所有権移転登記手続を命ずる趣旨のものであつた。しかるに、その後なされた知事の許可(右許可は瑕疵があるものと考えられるが、仮に瑕疵がないとしても)は、本件土地一筆についてのみなされたもので、右以外の二筆については、未だ許可がなされず、所有権移転登記手続もなされていないから、代物弁済による譲渡所得が右許可によつて完全に発生し、または確定したとみることは困難である。

(三) 代物弁済契約の実質を担保権とみる近時の最高裁判所の判例の立場によれば、債務者は、停止条件の成就または予約完結権の行使後であつても、清算金の支払いを請求することができるし、また、清算前であれば債務を弁済して目的物件を取り戻すこともできる。したがつて、債権者は、担保の目的をこえて目的物件の所有権を取得することはできない。

本件課税処分当時、未だ清算は結了していなかつたから、訴外森は、本件土地につき、清算結了に至るまで自己の名による管理処分権を暫定的に取得していたというにすぎない。そして、原告は、昭和四七年一月二四日、訴外森に対する債務の元本および利息ならびに遅延損害金の総額を、弁済のため供託して債務を完済した。

したがつて、本件土地については、譲渡所得は発生せず、租税債務も何ら発生しないから、これが発生したことを前提として被告のなした課税処分は違法である。

(四) 被告は、弁済期(昭和二九年一〇月二四日)から予約完結の意思表示の時(昭和三一年二月八日)までの遅延損害金を、代物弁済による収入金額に加算しているが、不当である。

(五) なお、被告は、知事の許可の時点(昭和四〇年一二月四日)における債務の総額が三三九万四五七六円であると主張するが、当審における鑑定の結果によれば、同月一日現在における本件土地の評価額は一五七〇万三〇〇〇円であつた。また、昭和四二年八月八日の所有権移転登記受付の時点における本件土地の課税価格ですら、五七九万九〇〇〇円であつた。これらの事実によれば、債務の総額と本件土地の価額とは著しく均衡を失していた。

(被告の主張)

1 本件課税処分の経緯は、別表記載のとおりである(なお、原告の主張1、2の事実は認める。)。

2 右のうち、農業所得一一万一六六七円および不動産所得一七万八七五〇円については、原告が昭和四一年三月二二日尾西市役所に提出した原告の昭和四一年度分市民税申告書に記載された金額である。

3 原告には、以下に述べるように、昭和四〇年において代物弁済を原因とする譲渡所得が発生したので、被告はこれに対して課税したのである。

(一) 原告は、昭和二八年一〇月二二日訴外岩田節夫から金一五五万円を、弁済期間は昭和二九年一〇月二三日、利息日歩二銭八厘の割合で三か月ごとにその末日に支払う約定のもとに借り受けた。その際、原告は、同訴外人に対し右債権を担保するため、原告所有の<1> 尾西市起字東茜屋八四番、田八二六・四四平方メートル(八畝一〇歩)、<2> 同所九一番の一、田一〇〇一・六五平方メートル(一反三歩)、<3> 同所九一番の二、田九・九一平方メートル(三歩)の三筆の土地について、抵当権設定契約を締結するとともに、原告が右弁済期までに右債務を完済しないときは、代物弁済として債権者に右土地の所有権を譲渡する旨約し、翌一〇月二三日右抵当権の設定登記をした。

右訴外岩田は、昭和二九年一一月二二日、右抵当権ならびに代物弁済予約付債権を訴外森基樹に譲渡し、昭和三一年二月二八日その旨原告に通知した。

訴外森は、期限に弁済を受けなかつたので、昭和三一年二月二八日、原告に対し書面をもつて代物弁済を完結する旨の意思表示をした。しかし、原告がその求めに応じなかつたので、訴外森は、昭和三一年四月五日土地所有権移転登記手続および土地引渡しを求める訴訟を提起したところ、右<1>の土地(以下本件土地という。)につき、原告は県知事に対して農地法施行規則六条の規定による許可申請手続をなし、右許可があつたときは、右土地につき訴外森に対し所有権移転登記手続をなし、かつ該土地を訴外森に引き渡すべしとの原告敗訴の判決があり確定した。

そこで、訴外森は、右判決に基づき、本件土地についてのみ所有権移転登記手続をすべく、農地法五条一項および同法施行規則六条に規定する許可申請書を愛知県知事に提出し、昭和四〇年一二月四日にその許可を受け、昭和四二年八月八日代物弁済を原因とする所有権移転登記手続をした。

したがつて、本件土地は、昭和四〇年一二月四日、原告から債権者たる訴外森に対し、代物弁済として所有権が移転したのである。

(二) 消費貸借上の債権を担保するために締結された代物弁済契約については、それが停止条件付代物弁済契約または代物弁済の予約のいずれの形式をとつていても、その実質は担保権と同視すべきであり、債権者は清算義務を負うとともに、債務者は換価処分前または評価清算前には、債務を弁済して目的不動産を取り戻し得るというのが、最高裁判所の判例の明らかにするところである。

本件譲渡所得の基因となつた代物弁済契約も、その実体は、消費貸借上の債権を担保するために締結されたものであることは、原告の訴外岩田との間に取り交された念書(甲第二号証)の記載内容およびその目的物件に抵当権が設定されていることから明らかである。

ところで、譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいい、その資産の譲渡による収入金額の確定時期は、その所有権その他の財産権の移転するときである。

代物弁済は、債務者が本来の給付に代えて他の給付をなすことによつて債権を消滅せしめる債権者・債務者間の有償双務契約であり、他の給付が不動産である場合は、代物弁済として当該不動産の所有権が債権者に移転された時に代物弁済は成立する。したがつて、右の時点における債務金額相当額をもつて、債務者が当該不動産を譲渡したのと何ら変りなく、その消滅すべき債務金相当額を収入することとなる。

ところで、農地にあつては、所有権の移転は、農地法所定の知事の許可を受けなければその効力が生じないため、右許可のあつた日をもつて所有権移転のときとされている。

本件土地については、農地法に基づく許可は昭和四〇年一二月四日になされたから、その日に原告から訴外森に所有権が移転したものであり、被告は原告の本件土地の給付による代物弁済を、所得税法三三条に規定する資産の譲渡と認定したのである。

(三) 原告は、本件代物弁済契約につき清算が結了していないから、譲渡所得について租税債務は発生も確定もしていないと主張する。しかしながら、譲渡所得の発生時期は、譲渡所得の基因となる資産の所有権移転の時であつて、清算金を受領したか否かは、当該代物弁済を原因とする譲渡所得の金額の計算にあたり、収入金額に右精算金を加算すべきか否かの問題であつて、譲渡所得の発生時期ないしは納税義務の成立時期を左右するものではない。

原告は、本件課税処分にかかる譲渡所得の基因となつた本件土地の取戻しを前提として、課税債務の存在を否定するようである。しかしながら、原告は、本件課税処分当時から現在に至るまで、本件土地を訴外森から現実に取り戻していないのであつて、右取戻しがなされるまでは、本件課税処分の適法性には何らの消長を来たすものではない。将来の不確定な取戻しを前提とする原告の主張は理由がない。仮に、原告が将来訴外森から本件土地の取戻しを受けた場合には(これが国税通則法二三条二項または所得税法一五二条に規定する更正の請求の事由に該当するとすれば)、原告は、右取戻しを原因として、右各法条に定めるところにより、改めて被告に対し更正の請求の手続をすべきであり、当該請求の結果について不服があれば、国税通則法に定める不服申立の手続を経てはじめて訴えの提起が可能になるのである。しかるに、原告は、右取戻しさえ実現していないにもかかわらず、直接、本件訴訟における請求の原因として、将来の不確定な取戻しを前提として租税債務の不存在を主張するのであつて、右主張は、国税通則法一一五条の不服申立の前置の規定に照らしても明らかに不適法である。

原告は、また、代物弁済契約の目的物である三筆の土地のうち、本件土地を除く他の二筆については、未だその所有権移転登記手続をなしていないことを理由として、租税債務が成立も確定もしていないと主張するようである。

しかしながら、代物弁済を原因とする譲渡所得についても、右所得の発生は、当該代物弁済契約の完全な履行を要件とするものではなく、譲渡所得の基因となるべき資産の移転に着目し、これを原因として認識される所得金額の存在することがその要件となるのである。代物弁済契約を段階的に履行する場合においても、その履行完了の時において譲渡所得を認識すべきではなく、譲渡所得の基因となるべき資産についての所有権移転の都度、譲渡所得は発生すると解すべきである。

(四) 原告は、債権者である訴外森による本件土地の所有権移転手続に際して、清算金の支払等について何らの主張もしなかつた。したがつて、本件土地の代物弁済による所有権移転の時、すなわち知事の許可のあつた昭和四〇年一二月四日現在における本件土地の価額が、その時における原告の右訴外人に対する債務の総額三三九万四五六七円(借入元金一五八万八六二六円およびこれに対する利息金一八〇万五九五〇円の合計額)に見合うものとして、双方に理解されていたものと解されるる。

(五) 本件土地の代物弁済による譲渡所得金額の算出については、本来その所有権の移転の時、すなわち昭和四〇年一二月四日当時における控訴人の訴外森に対する債務の総額金三三九万四五七六円をもつて、収入金額とするのが正当であるが、本件課税処分においては、右所有権移転の前である昭和三一年二月二八日現在における債務の総額金一八〇万七九一六円(借入元金一五八万八六二六円およびこれに対する利息金二一万九二九〇円の合計額。なお、右元金の額は、昭和二八年一〇月二二日付約定に基づく元金一五五万円に、昭和二九年二月一日から同年四月三〇日までの利息三万八八六二円が元金にくり入れられているので、これを合計したものである。)をもつて、その収入金額と認定した。

右収入金額を基礎にして、本件土地の譲渡所得により発生した譲渡所得金額を計算すること、次のとおりになる。

<1> 収入金額  一八〇万七九一六円

<2> 取得費     三万二〇〇〇円

(所得税法六一条二項、同法施行令一七二条一項の規定による価額)

<3> 譲渡益(<1>―<2>) 一七七万五九一六円

<4> 譲渡所得の特別控除額 一五万円

(所得税法三三条四項の規定による金額)

<5> 譲渡所得金額((<3>―<4>)×1/2)八一万二九五八円

(所得税法二二条二項二号の規定による金額)

右計算により算出される譲渡所得額は、前記正当額(金三三九万四五七六円)を基礎として算出される譲渡所得金額よりも少額となることは明らかである。

しかも、同日における本件土地の価額は、控訴人と訴外森との間で争われた別件訴訟(名古屋高等裁判所昭和三五年(ネ)第三六七号土地所有権移転登記手続請求控訴事件)において認定された昭和二八年一〇月当時の坪当たりの価格七〇〇〇円を基礎とし、これに、日本不動産研究所において作成された全国市街地価格指数を用いて、次の算式により時点修正を行ない、坪当たり価格を算出すると、一万〇五七〇円となり、二五〇坪の総額では二六四万二五〇〇円となる。すなわち、本件課税処分にあたり基礎として収入金額一八〇万七九一六円は、右金額をも下廻ることになるのである。

算式

<1> 昭和28年10月指数=(昭和28年9月の指数)+(昭和29年3月の指数-昭和28年9月の指数)×1/6=21.926+(26.506-21.926)×1/6=22.689

<2> 昭和31年2月の指数=(昭和30年9月の指数)+(昭和31年3月の指数-昭和30年9月の指数)×5/6=32.496+(34.614-32.496)×5/6=34.261

<3> 昭和31年2月当時の坪当たり単価=昭和28年10月当時の坪当たり単価×<2>で求めた指数/<1>で求めた指数=7,000×34.261/22.689=10.570

<4> 本件土地の昭和31年2月当時の価格=<3>で求めた単価×本件土地の坪数=10570×250=2642500

右のとおり、本件課税処分にかかる譲渡所得金額計算上の収入金額は、前記の正当額の範囲内において認定したものであり、しかも、右認定した金額がその時における本件土地の価額より少額であるから、本件課税処分には何ら違法はない。

第三証拠関係<省略>

理由

第一昭和四四年(行コ)第一九号事件について

一  控訴人は、本件については、審査請求に対して原処分の一部取消しの裁判がなされているのみで、審査請求棄却の裁決はなされていないから、行政事件訴訟法一〇条二項を適用すべきでないと主張する。しかしながら、原処分の一部を取り消した裁決(行政不服審査法四〇条三項参照)は、右取り消した部分については、審査請求を理由ありとしてこれを容認するとともに、その余の部分については、理由がないとしてこれを棄却したものであつて(成立に争いのない甲第一四号証によれば、本件裁決についてもその趣旨は明瞭である。)、右のような裁決も行政事件訴訟法一〇条二項にいう「審査請求を棄却した裁決」に当たることは当然である。したがつて、控訴人の右主張は理由がない。

二  ところで、控訴人は、当審において裁決固有の瑕疵について主張するので、この点について判断する。

1  控訴人は、審査請求に対する裁決において原処分の一部を取り消す場合には、その余の部分については、「爾余の審査請求部分を棄却する。」旨宣言すべきであると主張する。しかしながら、前述のように、原処分の一部を取り消す旨の裁決は、その余の部分について審査請求を棄却したものであることは明らかであつて、右裁決においてその余の審査請求を棄却する旨宣することは、仮に望ましい表現であるとしても、これを明示しなかつたからといつて、直ちに裁決を違法ならしめるものではない(判決主文においては、判決の脱漏の問題を生ずるため、請求の一部のみを認容する場合、その余の請求を棄却する旨記載することが必要であるが、訴訟手続と異なる行政不服審査手続においては、そこまでの必要はないと考える。)。

2  控訴人は、本件裁決には、その手続において、原処分における租税債務の発生および確定の点について、関係人らを十分に調査し重点的に検討しなかつた違法があると主張する。しかし、成立に争いのない甲第一四号証および当審証人小出正彦の証言により成立の認められる乙第一号証、ならびに右証言によれば、被控訴人は、右裁決をするにあたつて、原処分の当否について必要な調査を行ない、これに基づき十分な検討を経たうえ右裁決をしたことが認められる。したがつて、右主張は理由がない。

三  以上述べたところによれば、被控訴人のした本件裁決には、何らの違法がないことが明らかであるから、その取消しを求める控訴人の本訴請求は理由がない。

したがつて、右請求を棄却した原判決はもとより相当であり、本件控訴は理由がない。

第二昭和四五年(行ケ)第一号事件について

一  原告主張の日時に、その主張のような課税処分、異議の申立ておよびこれに対する決定、ならびに、審査請求およびこれに対する裁決がなされたことは、当事者間に争いがなく、また、その経緯に関する被告主張の事実(別表)については、原告において明らかに争わないので、これを自白したものとみなす。

そして、右のうち、農業所得および不動産所得の各所得額については、原告の認めるところである。

二  被告は、原告には、昭和四〇年において代物弁済を原因とする資産の譲渡による譲渡所得があつたと主張するのに対し、原告は、右は何ら譲渡所得を構成しないと主張するので、以下、これについて判断する。

1  原告が、昭和二八年一〇月二二日訴外岩田節夫から金一五五万円を、弁済期は昭和二九年一〇月二三日、利息は日歩二銭八厘の割合で三か月ごとにその末日に支払う約定のもとに借り受けたこと、その際、原告は、同訴外人に対し右債権を担保するため、被告主張にかかる<1>、<2>、<3>の各土地(<1>が本件土地)に対して抵当権設定契約を締結するとともに、原告が右弁済期までに債務を完済しないときは右土地の所有権を譲渡する旨約し、翌一〇月二三日右抵当権の設定登記をしたこと、右訴外人は、昭和二九年一一月二二日右抵当権ならびに代物弁済予約付債権を訴外森基樹に譲渡し、昭和三一年二月二八日その旨原告に通知したこと、右訴外人は、期限に弁済を受けなかつたので、昭和三一年二月二八日、原告に対し書面をもつて代物弁済を完結する旨の意思表示をしたうえ、昭和三一年四月五日土地所有権移転登記手続および土地引渡しを求める訴訟を提起したところ、本件土地につき、原告に対し、「農地法所定の知事の許可の申請手続をし、右許可を条件に所有権移転登記手続および引渡しをすべき」旨を命じた判決があり、確定したこと、そこで、訴外森は、本件土地について、右判決に基づき愛知県知事に対し農地法五条に基づく農地所有権移転の許可を求め、昭和四〇年一二月四日右許可を受けたうえ、昭和四二年八月八日代物弁済予約を原因とする所有権移転登記手続を経由したこと、以上の事実は、当事者間に争いがない。

右の事実によると、本件の代物弁済契約は、弁済期に債務の弁済のないときは、債権者が前記三筆の土地をもつて代物弁済の目的となしうる旨の約定とみることができるから、これを代物弁済の予約と解すべきである。

2  一般に、代物弁済予約の形式をとつた契約には、(1) 本来の代物弁済の性質をもつもの(本来の給付に代えて他の給付――目的物件の所有権の移転――をなすことによつて既存の債務を消滅させ、債権者にいわゆる取り切りを許すもの)、および(2) 単にその形式を借りたにすぎず、実質において担保権の性質をもつもの(債権者は、目的物件を換価処分し、またはこれを適正に評価することによつて具体化する右目的物件の価額から、自己の債権額および優先弁済を受くべき後順位債権者の債権額を差し引き、なお残額があるときは、これに相当する金銭を清算金として債務者に支払わなければならず、いわゆる取り切りは許されないもの)の二つがありうる。

本件においては、原告は、金銭の消費貸借契約を締結するに際して、右債権を担保するため、本件土地を含む前記三筆の土地について抵当権を設定するとともに、代物弁済の予約を締結したのであるから、特段の事情の認められない限り、右代物弁済予約は、その実質が担保権と同視すべき前記(2)の類型に属するものと解すべきであろう。

もつとも、当審における鑑定人近藤信衛の鑑定の結果によると、右代物弁済予約締結時(昭和二八年一〇月二二日)当時における本件土地の価額は一八一万二〇〇〇円であつたことが認められ、右消費貸借の弁済期(昭和二九年一〇月二三日)までの元利合計額一七〇万八四一〇円との間において、さほど合理的均衡を失するとはいえないから、本件土地のみについてみれば、右代物弁済予約をもつて前記のように解する要件を欠くようにも考えられる。しかしながら、右代物弁済予約においては、本件土地のみならず、前記<2>、<3>の各土地も合わせて目的物件とされており、右のうち<2>の土地の面積は、本件土地の面積を大きく上まわり、且つその単価において著しい差があるとも考えられないことからすると、右予約締結時における三筆の土地の価額の合計は、本件債務の弁済期までの元利合計金額の少なくとも二倍以上はあつたものとみる余地がある。そうすると、両者の間にはかなり合理的均衡を失するということになる。

したがつて、本件代物弁済予約については、本来の代物弁済(前記(1)の類型)というよりは、むしろ、担保権の実質をもつもの(前記(2)の類型)とみるべき余地が十分にある。

そこで、本件代物弁済予約を右のいずれとみるかにより、本件課税処分の適否に関する結論が左右されるかについて検討してみよう。

3  土地を目的物件とする代物弁済予約については、債権者が予約完結権を行使したときに所有権移転の効力が生ずるが、農地については、農地法所定の知事の許可が条件となるので、右許可のあつたときに所有権移転の効力が生ずる。この点は、右代物弁済予約が前記(1)または(2)のいずれの実質をもつかによつて異なるものではない。

したがつて、本件土地(田)については、前記知事の許可のあつた昭和四〇年一二月四日に、原告から訴外森に対して所有権が移転したというべきである。

4  所得税法(昭和四〇年法律第三三号)三三条所定の譲渡所得が課税の対象とされる趣旨は、資産の値上りによつて生ずる利益については、これをその資産の所有者の所得として課税すべきであるが、増加益を一年ごとに査定して課税することは技術的に困難であるので、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税しようとするのである。そして、その資産の移転が対価を伴うときは、右増加益は対価のうちに具体化されるもの故、これを課税の対象として捉えることになる。

代物弁済契約は、目的物件の所有権を債権者に取得させ、これについて債権者にいわゆる取り切りを許すか、あるいは清算・取戻しの余地を残すかのちがいはあれ、前記のいずれの類型においても、債務を消滅させることを目的とするものであるから、右所有権の移転は、債務額に相当する対価を伴うと考えられる(実質的には、債務額をもつて目的物を譲渡したものということができる。)。

したがつて、代物弁済契約を原因とする所有権の移転は、いわゆる資産の譲渡に当たり、これにより収入すべき金額を基礎として、譲渡所得が生ずるものと解すべきである。

5  譲渡所得の金額の基礎とされる収入金額(所得税法三三条三項)とは、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)をいう(同法三六条)のであるが、右収入すべき金額とは、収入すべき権利の確定した金額をいう(いわゆる権利確定主義)。

ところで、土地を目的物件とする代物弁済予約においては、債権者が予約完結権を行使して(農地の場合はさらに知事の許可を得て)土地の所有権を取得しても、債務は未だ消滅しないが、右代物弁済予約が前記(1)の本来の代物弁済の性質をもつものである場合には、債権者が所有権移転登記を取得した時に債務が消滅し(なお、当事者間の特約により登記以前においても債務消滅の効力を生ぜしめることもできる。)、また、右代物弁済予約が前記(2)の担保権の実質をもつものである場合には、いわゆる帰属清算型(換価のため処分することを要せず、債権者において目的物件を評価の上、債務額等を差し引いた残額に相当する金銭を清算金として債務者に支払うもの)に属するものについては、債権者が所有権移転登記を取得した時に、そして、いわゆる処分清算型(債権者において目的物を換価処分し、これによつて得た金銭から債権の優先弁済を受け、残額を清算金として債務者に返還するもの)に属するものについては、債権者が清算を結了して債務額に相当する金銭を入手した時に、それぞれ債務が消滅するものである(もつとも、右処分清算型の場合の債務の消滅時期については、登記時・処分着手時あるいは処分完了時等、別異の時点と解すべき余地もある。)。したがつて、代物弁済予約が右のいずれの類型に属するものであつても、債権者は、目的物件の所有権の移転を受け、その支配を取得した時点において、後に登記または清算を完了することにより当該物件をもつて債務の弁済を受けるべき地位を確定的に取得したものというべきであり、これに対応して、債務者も、目的物件の所有権を債権者に移した時点において、当該物件をもつて債務を消滅せしめるべき経済的利益を確定的に取得したものというべきである。

代物弁済予約が本来の代物弁済の性質をもつものである場合は、右の点は容易に理解しうるところであるが、担保権の実質をもつものである場合には、後に清算が予定されているため、右の地位ないし利益は確定していないのではないかとの疑問が生ずる余地がある。しかしながら、清算の結果債権者が債務者に返還すべき金銭は、目的物件の評価額ないし処分価格から債務額等を差し引いた残額に限るのであつて、少なくとも債務額については、債権者が目的物件から弁済を受けうることは動かないところである。したがつて、未だ清算が完了しない段階においても、目的物件により債務を消滅せしむべき経済的利益は、債務者のもとに確定的に生じているとみてさしつかえない。

6  右に述べたように、土地を目的物件とする代物弁済予約については、前記のいずれの類型においても、所有権移転の時には未だ債務は消滅していないから、その時点以後においてもなお遅延損害金は発生することになる。しかも、右所有権移転の時点においては、債務消滅の時期を知ることができないから、最終的な債務の総額(元金、利息および遅延損害金の合計)を確定することもできない。しかしながら、所有権移転時までの利息および遅延損害金の額は容易に算出しうるから、その時までにおける債務の総額は確定することができ、少なくともその限度で債務が消滅すべきことは右時点において確定しており、これをもつて収入すべき金額とするのが相当である。

7  以上説明したところによると、本件の代物弁済予約は、本来の代物弁済ではなく、清算を予定した担保的なものとみるべき余地があるのであるが、そのいずれであつても、債権者である訴外森に本件土地の所有権が移転した昭和四〇年一二月四日において、元金および右同日までの利息ならびに遅延損害金の合計額について、右土地の譲渡により収入すべき権利が確定したということができる。

三  原告は、本件代物弁済の予約の実質は担保権であつて、債務者は清算金請求権および目的物件の取戻権を有し、債権者は担保の目的をこえて目的物件の所有権を取得し得ないところ、原告は債務の総額を弁済のため供託し現に取戻権を有するから、本件土地について譲渡所得は発生していないと主張する。

本件代物弁済予約の実質が担保権であるとみるべき余地のあることは、上述したとおりであり、したがつて、原告は清算金請求権および取戻権を有していると考える余地がある。そうとすると、本件土地の所有権が債権者に移転しても、債権者は、右所有権につきいわば担保的拘束を受けている状態にあるということもできよう。

しかしながら、譲渡所得に対する課税の趣旨に関してさきに述べたところによれば、資産の増加益について資産の譲渡の時に課税することとしているのは、きわめて技術的な配慮に基づくことが明らかである。したがつて、この場合、資産の譲渡という事実は、既に潜在的に発生している増加益に対して課税する一つの契機にすぎないのであるから、資産の譲渡があつたというためには、法律的に所有権の移転があつたことをもつて足りると解すべきであり、右の時点において収入すべき権利が確定しているときは、その金額を基礎として譲渡所得が発生したと考えても何ら支障がない筈である。

また、代物弁済予約の目的物件について債務者が取戻権を有するときは、これに基づいて債務者が再びその所有権を取得することもあろうが、このような場合には、右の時点において、改めて国税通則法二三条二項あるいは所得税法一五二条の規定に基づき更正の請求をなす余地のありうることはともかく、未だ現実に取り戻しがなされない間は、単に取戻しの可能性があるというにすぎず、このような不確定な事実をもつてしては、譲渡所得の発生を否定することはできないというべきである。

原告の以上の主張は要するに、清算が結了するまで、あるいは取戻権が消滅するまでは、譲渡所得は発生しないとする趣旨のようであるが、しかし、債権者が目的物件の所有権を取得したのちにおいても、債務者が協力しないため所有権移転登記の手続が遷延し、あるいはまた、債権者の側において目的物件の処分に手間どる等して、清算の結了に至るまで長期間を要するような事態が生ずることは十分に考えうる。このような場合には、原告の主張によれば、課税のできないまま慢然拱手していなければならないことになり、きわめて不都合である。このような点をも考慮すると、前記のように、目的物件の所有権が移転したときに譲渡所得が発生したと解することは、課税の明瞭・確実を期する権利確定主義の趣旨に合致することが明らかである。

四  原告は、前記確定判決は、本件土地を含む前記三筆の土地全部について、知事の許可のあることを条件に所有権移転登記手続を命じたものであるところ、訴外森は本件土地一筆についてのみ知事の許可を得たにすぎず、残余の二筆の土地については未だ知事の許可はなされず、かつ所有権移転登記手続もなされていないから、右代物弁済による譲渡所得は発生していないと主張する。

しかしながら、数筆の土地について代物弁済の予約がなされた場合において、債権者が、そのうち一筆の土地の価額をもつて全債務を弁済するに足りると判断して、当該土地についてのみ予約完結権を行使することは何ら妨げないというべきであり、このことは、その土地が農地であつて、数筆の土地全部について予約完結権を行使したが、そのうち一筆についてのみ知事の許可を受けたという場合においても同様である。そして、譲渡所得に対する課税は、当該資産に着目して、その所有権の移転のあつた時において、これにより収入すべき金額を基礎としてなすものであるから、右の場合、他の土地について所有権の移転があつたか否かは、全くかかわりのないことである。

もつとも、前記一筆の土地の価額がたまたま債務の総額を弁済するに足らないときは、債務額全部を基礎とする譲渡所得が発生したとすることは相当でないが、当審における鑑定人近藤信衛の鑑定の結果によると、本件土地は、契約時(昭和二八年一〇月)において既に債務の元本額一五五万円をこえる一八一万二〇〇〇円の価額を有し、所有権移転時(昭和四〇年一二月)においては一二六八万円、また昭和四七年二月当時においては二〇一三万二〇〇〇円の価額を有していたことが認められるから、本件代物弁済予約が前記のいずれの類型に属するものであつても、債務の消滅すべき時期における債務の総額を弁済してなお余りあることが明らかである。したがつて、本件の土地一筆について所有権が移転した時において、本件代物弁済予約の対象となつた債務全額が消滅すべきことが確定したといつてさしつかえない。

五  原告は、なお、本件土地に対する知事の許可には瑕疵があるから効力を生ぜず、したがつて、本件土地について所有権移転の効力は生じていないと主張するもののようである。しかしながら、本件にあらわれた全証拠によつても、右知事の許可に重大かつ明白な瑕疵があつたとは認められない。

六  そこで、譲渡所得の金額について算定する。

<1>  収入金額 金三三九万四五七六円

(借入金元金一五八万八六二六円、およびこれに対する弁済期の翌日である昭和二九年一〇月二四日から前記知事の許可の日である昭和四〇年一二月四日までの遅延損害金一八〇万五九五〇円の合計額。なお、右借入元金は、昭和二八年一〇月二二日の約定に基づく元金一五五万円に、昭和二九年二月一日から同年四月三〇日までの利息をくり入れたものであり、この点については原告は明らかに争わないのでこれを自白したものとみなす。)

<2>  取得費 金三万二〇〇〇円

(所得税法六一条二項、同法施行令一七二条一項の規定による金額。なお、成立に争いのない甲第一号証の一によれば、原告は本件土地を昭和二七年一二月三一日以前から引き続き所有していたことが認められる。)

<3>  譲渡益 金三三六万二五七六円

(<1>―<2>)

<4>  譲渡所得の特別控除額 金一五万円

(所得税法(昭和四二年法律第二〇号による改正前のもの)三三条四項の規定による金額)

<5>  譲渡所得金額 金一六〇万六二八八円

((<3>―<4>)×1/2所得税法二二条二項二号の規定による計算)

右のように、昭和四〇年における原告の総所得金額を構成する課税標準の一つである譲渡所得金額は金一六〇万六二八八円であると認められるところ、被告のなした課税処分においては、譲渡所得金額はこれを下まわる金八一万二九五八円とされており、右正当な課税標準の範囲内において認定されているから、右課税標準の額を争う原告の主張は理由がない。

七  以上述べたところによれば、被告のなした本件課税処分に違法はないから、その取消しを求める原告の本訴請求は理由がない。

第三結論

以上の次第であつて、昭和四四年(行コ)第一九号事件について、控訴人の控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担について民事訴訟法九五条、八九条を適用し、また、昭和四五年(行ケ)第一号事件について、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担について同法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山口正夫 宮本聖司 新村正人)

(別表)

区分

決定および賦課決定

異議申立

同上決定

審査請求

同上裁決

年月日

昭四三、一〇、二一

昭四三、一一、二一

昭四四、二、一八

昭四四、三、一八

昭四四、六、二四

<1> 総所得金額

二、七二一、〇八一円

二九〇、四一七円

一、九八五、二五一円

二九〇、四一七円

一、一〇三、三七五円

内訳

農業所得

一一一、六六七

一一一、六六七

一一一、六六七

一一一、六六七

一一一、六六七

不動産所得

一七八、七五〇

一七八、七五〇

一七八、七五〇

一七八、七五〇

一七八、七五〇

譲渡所得

二、四三〇、六六四

一、六九四、八三四

八一二、九五八

<2> 所得控除額

一二七、五〇〇

一二七、五〇〇

三二〇、〇〇〇

内訳

扶養控除

一九二、五〇〇

基礎控除

一二七、五〇〇

一二七、五〇〇

一二七、五〇〇

<3> 課税所得金額

二、五九三、〇〇〇

一、八五七、〇〇〇

七八三、〇〇〇

<4> 算出税額

六八五、二〇〇

四二二、九三〇

一一九、〇〇〇

<5> 所得税額

六八五、二〇〇

四二二、九〇〇

一一九、〇〇〇

<6> 無申告加算税

六八、五〇〇

四二、二〇〇

一一、九〇〇

備考

一部取消

一部取消

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例